書店員さんが書いた手書きのPOPで全国的に有名なさわや書店さん。
さわや書店の栗澤部長をお招きし,そのPOP教室をZOOM配信しました。
▼このご時世なので初のフェイスシールドをつけて。
このフェイスシールドで冒頭にハプニングがありました(笑)
私は常々「自分が受けたい講座を開く」ようにしているのですが
今回もやっていて,すごくおもしろかったです。
というのは,今回の講座は,POPの技術指導という美術的な内容ではなく,
昭和22年に創業した地方の老舗書店が
ネット書店に負けないための販売戦略や,
ヒストリーをお聞きしたような回だったからです。
これ,個人事業主さんや会社経営者の方にお聞かせしたかったなあ。
まずは,なぜさわや書店が手書きPOPを始めたかという経緯からお聞きしました。
それはひとことでいうと
「全国同じ金太郎飴書店からの脱却を目指して」というもの。
書店はその再販売価格維持制度により
全国どこへ行っても同じ書物が同じ値段で売られている。
それこそ,出販社が作ったPOPが一律配布されるようになってからは
さらにこの金太郎飴書店化に拍車がかかったそうです。
そんななかで,さわや書店が目指したのは
「顔の見える書店」
それには,出販社や取次からいわれた本を売るだけではなく
書店員が売りたい本を売る!というという営業戦略がありました。
今,街の本屋を脅かすものといえばネット書店に電子書籍,,,
だと私個人は思っているのですが
ネット書店にはできない方法で「売りたい本を売った」といえば
なんといっても,「文庫X」
本の名前,著者名,出販社をカバーで隠し,
お知らせしたのは
値段とノンフィクションであるということだけ。
そして,「どうしても読んでほしい810円がここにある」というキャッチコピーと
なぜ読んでほしいのかの思いをカバーに自筆で書き,販売した。
この手法が全国の書店に飛び火し,2016年7月から11月までで
もともとの3万部が18万部売れたというから本当に凄い。
「文庫X」詳細はこちら
https://www.shinchosha.co.jp/news/article/303/
そして,
さわや書店が書くPOPは
「アイキャッチ型」といわれるビジュアル中心のものと
「おすすめ提案型」といわれる文章中心のものとがあるそうです。
講座では,それぞれのPOP例を紹介していただき
どこがポイントなのかをお話していただきました。
▼アイキャッチ型
これは,POPがなければ手にはとらない本だと思います。
なぜか写真が横になるけど,これはアイキャッチ型の典型だそうです。
▼おすすめ提案型
これこそ,私のなかのさわや書店POPイメージです。
フェザン店に多いかな?
わりとシンプルな形のPOP
なお,POPはさわや各店でそれぞれ描いているそうで
店ごとの特長も違うそう。
本店は,マスキングテープ使いが多いとか。
そして,大切なことは
POPは広告,伝えたい人がいるということ!
つまり,自己満足ではなく,誰かに伝える手段。
これは,広告屋の私にとって
広告の原点に立ち返るような言葉となりました。
「誰にそれを伝えたいのか」
今回,受講者特典として
「あなたの書いたPOPを10/1~さわや書店に展示します」
というご協力をいただきました。
そして,このことが
地元の盛岡タイムス11/7のなんと一面で掲載していただきました。
さわや書店さんには
このような専用コーナーを設けていただきました。
ここからは皆様の作品ですっ!!
「電話をしてるふり」 バイク川崎バイク
芸人さんが書いたショートストーリーで寝る前にちょうどいいそうです。
「青森ヒバのある暮らし」 村口実姉子
ZOOM配信だからこそで青森県から参戦してくれました。
「七月に流れる花 八月は冷たい城」 恩田陸
娘さんとミニ読書会をして作ってくれました。
「ロスジェネの逆襲」 池井戸潤
セミナー前に私が書いたヘタレ見本です。
「星に願いを」 林真理子
こちらはセミナー受講後に書いた私作品。たいして上達してない。。。
「あなたにありがとう」 松浦弥太郎
やさぐれた時に読むとよい本なんですって。
「フィンランド人はなぜ午後4時に仕事が終わるのか」 堀内都喜子
現役の社労士さんが選んだ本。
しっかりPOPに名前入り。「働き方改革」にきっと良き本。
「2020年6月30日にまたここで会おう」 瀧本哲史
POPを書いたOさんが,この本について熱く語っているYouTubeもあるそうです。
「さよならを待つふたりのために」 ジョン・グルーン
うぉー,字も絵も上手いぞ!
これ,世界中でベストセラーになっているんですね。知らなかった
「ドウエル教授の首」 ベリャーエフ
現役の画家の方の作品です。
「字が下手なんですよ」と言っていたのは謙遜だったわ。うまいじゃないか。
もうひとつ作成してくださっていて,こちらは後半に展示予定だそうです。
ぉー,前衛的!
なぜか,写真が横になる。。
「旅屋おかえり」 原田ハマ
読み終えたあとにこのタイトルが輝きをもつ,,そうか,そうなのか!
「石の記憶」 高橋 克彦
作品みて,「わ!POPの完成度高っ!」と思った作品。
しかし,本が絶版なんですって。残念。でもこうしてPOP作品は展示してます。
コロナが落ち着いたら,ZOOMだけでなく,リアルにまた開催したいです!