7/17(土)第55回大人のおけいこクラブで
婦人科セミナー「愛は子宮を救う」を開催~!
講師は長野赤十字病院産婦人科医にして女性ヘルスケア専門医の資格を
もつ山本かおり先生です。
※山本かおり先生と知り合ったきっかけは
2019年に開催した「思春期外来セミナー」でした。
その投稿を見て、フェイスブックでお友達になり、昨年の3月は
長野市で実際にお会いしてきました。
きっかけとなった思春期外来セミナーはこちらをクリック~。
思春期外来セミナー「今、10代に起きていること」8/31開催報告 | 『5時からアイドル』まきりん社長ブログ (ameblo.jp)
コロナ禍となり、始めたオンラインセミナーですが、
悪いことばかりじゃない。
セミナーは
1部 生理痛、PMS、更年期について
2部 婦人科の疾患について
に分けて、間に質疑応答を挟みながら進めました。
私、今回のセミナーで何がいちばんびっくりしたって、
生理痛の治療です!
「ピル」と聞いてびっくりしてた時代はもはや完全に過去のものです。
さて、こちらが月経から次の月経までのスライドですが
こうしてみると、女性が心身ともに絶好調!というのは
生理が終了して排卵までの1週間もないんですねぇ。
さて、このなかのPMS(月経前症候群)ってご存知でしょうか?
生理前の3日~10日前にある不調です。
これはメンタルと身体症状と両方あり、
思春期の女児では
このPMSと生理痛が不登校の理由の半数ぐらいになっているとか・・・
事実、先の思春期外来セミナーの講師をしてくださった秋元義弘先生(現在は岩手県立中部病院産婦人科に勤務されています)
によれば
「うちの思春期外来に来ている女の子の95%は、月経痛と月経不順で学校が辛い、という子たちです。」
薬で月経コントロールを始めて、
「もっと早くからこうしていれば良かった〜!」と
本人もお母さんもいうそうで、「劇的に変わります!」とのこと。
生理痛(月経困難症)は
原発性といわれる他の病気のないものと
経発性といわれる他の病気が原因でおこるものとあるそうで
思春期の生理痛はほとんどが前者です。
そして月経困難症といっても、痛み、量、周期とあるわけですが
量について自分ではわかりにくいもの。
そのめやすがこちらで
40㎝もあるいわゆる夜用ナプキンを日中も使い続けているなら産婦人科を受診してください~。
治療はどうするのか?
山本先生はまず「鎮痛剤で良くなるなら使ってOK」としたうえで40代以上と40才以下では治療が違うと教えてくれました。
そして、いわゆる低用量ピルは50才まで。
これは閉経年齢の平均が50才であることと
50才過ぎると血栓症のリスクが出てくることと
関係しているそうです。
この低用量ピルでびっくりしたこと。。。
私は、生理がくるのをずらすものと思っていたのですけども
その考えは古かった!
今は、最長120日連続服用できるピルがあるそうで
これらを使えば年間の生理回数を減らすことができるんですって!
つまり、1か月に1回だと思っていた生理を2か月に1度とか
3か月に1度とかにできる!!
しかも今はこのタイプの方が主流なんですって。
知らなかった~!!目からウロコでした!!
低用量ピルは10代から安心して使えるものがほんとどですし、
このあとの質疑応答で、
蒸れやかぶれをなくすための
ナプキンやVIO脱毛について質問がありましたが
「でかいナプキンを使っていれば当然かぶれるし、蒸れる」ので
「そもそもの月経量をコントロールする治療をしたほうがいい」とのことです。
タンポンよりもしっかり吸収するシリコン製の月経カップもあるんですって。
これも知らなかった~。
気になる方は「月経カップ」か「月経血カップ」で検索してください。
40才以下には低用量ピル、では40代以上は?というと
ミレーナという昔でいう避妊用リングがあるそうです。
ミレーナは一度入れると5年間有効なので
飲み薬と違って「忘れることがない」というメリットがあります。
今後、5年間は子どもを産む予定のない方ならこれもおすすめだそうで
保険適用で1万円ぐらいの費用だそうです。
他、ピル以外の薬もたくさん出ていて、年代や体質、状況をみながら
治療方法を「産婦人科医と相談」
とにかく
生理は量も回数も周期も
完全にコントロールできる時代になった!
というのを実感しました。
そして次に更年期について。
閉経の前後5年を挟んだおよそ10年に渡る不調ですが
自律神経などを司る視床下部との関係が深いため
症状は本当に多岐にわたります。
※更年期については2018年に助産師の多田先生を講師に
「更年期」に特化した内容で開催したセミナーがありますので
こちらも参照してください。
「更年期」ってもっともっとオープンに語れるようにならなきゃね | 『5時からアイドル』まきりん社長ブログ (ameblo.jp)
山本先生によれば「更年期はつわりのようなもの」で
「ひどい人は本当にひどいし、なんともない人は本当になんともない」
非常に個人差があるそうです。
治療の中心はホルモン補充療法ですが
後の質疑応答でも話題になったのが
「ホルモン治療のやめどき」
「だいたい5年をめやすに主治医と相談し、長くても10年」
「60才以上になると普通にしてても心筋梗塞等のリスクがでてくるので
ホルモン治療ではなく、骨粗しょう症が気になるなら整形外科へ
血圧やコレステロールが気になるなら循環器内科へ行って専門の治療をすること」
というのがや山本先生の回答でした。
そして2部の「婦人科の疾患」へ
最初に「子宮筋腫・子宮内膜症・子宮腺筋症」について説明がありました。
子宮筋腫は3人に1人
子宮内膜症は10人に1人
子宮腺筋症はちょっと前まで子宮内膜症の一部といわれていましたが
今は別の病気として扱われているそうです。
個人的に厄介だなあと思うのは子宮内膜症
妊娠した時の赤ちゃんのベッドといわれている子宮内膜が子宮の内側という
本来できる場所以外に出来る病気で
とにかく血液がたまるので、周囲の臓器や組織と癒着してしまう。
不妊の原因になりやすいし、閉経までつきあわなきゃならないケースが多いようです。
次に「子宮頸がんと子宮体がん」について
子宮の入口にできるがんが子宮頸がんで20代30代に多く、
奥にできるがんが子宮体がんで50代以上に多いという特長があります。
ちなみに子宮頸がん:子宮体がんは7:3の割合だそうです。
性交渉の経験があれば誰でも感染するリスクがあり、その多くは免疫で自浄されるものの
一部ががん化、
年間約1万人が子宮頸がんを発症し、
2,700人が命を落とすがんです。
早ければ10代でも発症します。
この予防に効果的なのが、HPVワクチンと子宮検診。
HPVワクチンは、性経験をもつ前に接種することが望ましく
小6~高1の女子であれば公費で受けれるのです。
今回、私が婦人科セミナーを開催したいと思った理由は
「公費で受けれることを知らない対象者や保護者が多い」
と感じたことでした。
2013年に副反応が指摘され、国の積極的奨励から外れてしまっているHPVワクチンですが
その後の調査で、副反応とされた多くの症状が思春期特有のものと判断されました。
※この経緯が気になる人は「名古屋スタディ」で検索してください。
原因もはっきりしていて、予防できる数少ない癌なのに
公費で受けれる期間を知らずに
いざ、赤ちゃんが欲しいと思った時に子宮頸がんが見つかり、
子宮を摘出というケースは本当に悲しい。
HPVワクチンの課題は
「公費で打てる期間を知らずに打てなかった年代」への接種と
「男児も公費で打てるようにすること」
だそうです。
ちなにに、男児も打ったほうがいい理由は
「HPVウイルスが原因といわれる
中咽頭がんや肛門がん、直腸がん、陰茎がん、
性感染症である尖圭(せんけい)コンジローマの予防ができること
と性交渉によるパートナーとのウイルスの感染しあいっこを防ぐこと」
です。
このあたりについては、みんパピというサイトに詳しく掲載されてますので
ぜひご覧になってください。
2部終わりの質疑応答では
現在、子宮内膜症の治療中の方や
子宮頸がんで経過観察中の方から
切実な悩みがよせられました。
山本先生いわく
「 どうしようかと患者さんとその時々で悩みあいながら
治療方法を選択している、、」
こういう話を聞くと
特に長くつきあわなければならない病気は
医療従事者という「伴走者が必要であること」
を痛感します。
さて、2回の質疑応答含めて
予定していた2時間を超えて開催されたセミナーは
オンタイムの受講者他、録画視聴の方も含めて
34名の方に参加していただきました。
終了後、動画編集するにあたり、何度も見返しましたけども
婦人科は奥が深い!!
そして、痛い、苦しい、つらいは
我慢する時代ではないこと
薬でコントロールできる時代になったこと
をつくづく感じました。
また続編を開催したいと思います。
ご参加いただいた皆さま、
講師の山本かおり先生、ありがとうございました。
▼わかりやすかった~と評判の山本かおり先生
▼久々にフルメイクの高橋真樹