※私、高橋真樹が2018年2月から約半年間、ひどい不眠症になったことから開催したセミナーです。
1/19に「健康セミナー~睡眠~」を開催しました。
70席用意した会場はほぼ満席。
関心の高さを感じます。
会場内には、「快眠」をサポートする8つの業者さんのブースもあります。
さて、
第1部は岩手医大睡眠医療学科准教授の西島嗣生先生のご講演です。
テーマは「良質な眠り」
まず睡眠時間について
日本人の平均睡眠時間は5時間36分で
これは先進国のなかで最下位。
とはいえ、
「年齢をとるにつれ、必要な睡眠時間が少なくなるのは当然のこと」だそうです。
<参考>
10代後半 8時間以上
25才 7時間
45才 6.5時間
65才 6時間
みなさん、自分の睡眠時間は足りているのか
気になるところだと思いますが
「睡眠時間というのは個人差があるので、
6~8時間という睡眠時間に拘りすぎることもない。」
というのが先生の回答でした。
そして、睡眠時間が足りているかいないのかのポイントは
「日中に眠気があるかどうか」
「眠気がなければOK」だそうです。
そうか、意外と単純なのか~と思ったりしますね。
ただし、「4時間以下」は問題。
健康被害がでてくる可能性があるそうです。
そして、睡眠の質について。
私たちは
ノンレム睡眠とレム睡眠を約90分ごとに4~5回繰り返し、
レム睡眠から目覚めるわけですが
いい睡眠のポイントは
最初の90分をいかに深く眠るか。
グラフを見ても、最初が深くて、だんだん、浅くなる。
最初の90分が浅いのに、次に深くなることはないそうで
最初が浅ければ、浅い眠りのまま目覚める。
そして睡眠障害といわれるのは下記4つに分かれるそうです。
(人によっては複合型もあります)
①入眠障害
眠りにつくのに30~1時間以上かかる
②中途覚醒
途中で目が覚めて、その後、なかなか寝付けない
③早期覚醒
本来、目覚めたい時間よりも2時間以上早く目覚める
④熟眠障害
睡眠時間は十分なのに、眠りが浅い。
無呼吸症候群はこのタイプで、無呼吸の患者さんは枕に頭つけたとたん、すぐ眠るそうです。
無呼吸の主な原因は肥満ですが,
日本人は口が小さいので、太ってない方での無呼吸も多いそうです。
<無呼吸症候群>
睡眠時に10秒以上呼吸が停止する症状が1時間に5回以上
一晩に30回以上ある。
日本には推定300万人いるといわれているが,実際、治療の患者数は40万人程度。
パートナーがいないと自分ではなかなか気が付かない。
子どもにもあり、治療をすると学力が劇的に向上する。
眠れない原因が
心の病気やストレス、身体の病気(痛み、かゆみなど)による場合は、
先にそれら根本原因の治療をすることが大前提ですが
これといった原因がなくての睡眠障害は、
間違った睡眠習慣が原因のことが多いそうです。
たとえば
「早寝」「長寝」「昼寝」
「早寝」と「長寝」は、
「眠くなったから寝る」のではなく、「寝る時間になったから寝る」というもの。
就寝時間への拘りと思い込みが原因といえそうです。
そして昼寝は午後3時前に、30分以内にすること。
休みの日に「3時間も昼寝した」というのでは夜、眠れなくて当然というわけですね。
ちなみに
睡眠障害については、いくつか自己診断方法がありますが
西島先生が講演のなかで紹介していた8つの項目はこちらの
アテネ不眠尺度といい、世界共通のチェックシートだそうです。
では、どうやって、質のいい睡眠をとるのか?
厚生労働省が2014年にまとめた「睡眠指針12箇条」
http://kenkonavi.jp/img/kyuuyou_img/kyuuyou_67.pdf
これと、西島先生のお話からいくつかポイントをまとめると
①眠気を逃すな~眠たい時に眠らないと、次第に覚醒する。
②眠くなってから、寝室に行くこと。就寝時間に拘りすぎない。
③寝室は、寝る場所というのを心身に覚えさせる。
④寝る4時間前からはカフェインの摂取を避ける。
寝る1時間前はニコチンも避ける。
⑤寝酒、布団でのスマホNG。
⑥入浴、簡単な体操、アロマなど,眠る前のリラックス方法を。(できればルーティン化する)
※筋トレなど激しい体操は交感神経を活発にしてしまうのでNG
⑦布団に入って30~40分しても眠れないときは、いったん寝室を離れる。(夜中に途中で起きた場合も同じ)
⑧休みの日の寝だめはNG。→時差ボケが起きる。いつもと同じ時間に起きる。
(平日+長くても2時間という説もあります )
私が個人的に、なるほどと思ったのは
「眠くなってから布団に行け」ということ。
言葉にすれば当たり前のようですが
小さい頃から「何時だから寝なさい」といわれ、
就寝時間への拘りが身体にしみついているんでしょうね。
眠くないのに、布団に入るから、ますます眠れない。
そして、30分以上寝れないなら思い切って起きて、寝室を離れる。
この場合、本を読む、音楽を聴くなどして、
再び、眠気がきたら寝室へ戻るのだそうです。
どうやら
寝室は眠くなってから行くところで
「寝室=寝るところ」 という意識を
身体にも脳にもしっかり覚えさせることが大事なようです。
西島先生の講演のあとは ブース見学。
ヒューマンヘルスサポートさんの血流チェックは行列でした
ピュアドリームのアロマコーナーには西島先生もお立ち寄り
インテリアコーディネーターのフェヴェリエさんのコーナー
ソフトバンク月が丘店さんは快眠アプリの提案
(写真は、中田先生のコンディショニング中のスタッフの皆様の様子で,寝てるわけではございません)
簡易ベッドを持ち込んだのは、やよいリビングさん
オーガニックハーブのカイロはヒジャウさん
そして、第2部
中田幸恵先生の「快眠コンディショニング」
寝る前の適度な運動です。
交感神経から副交感神経へスイッチをいれる「なでる、さする」
さあ,やってみましょう!
なでる、さするの時間がなければ
「はく・すう」の呼吸法でもよいそうで、
「ハーーー」と長くはいていると、副交感神経が優位になり
「ハッ」と短くはくと、交感神経が優位になるそうです。
そして、最後は、お楽しみのケーキタイム
こうして記載してみると、なかなか盛り沢山の内容でございました。
私が昨年春から夏にかけて、不眠症になったのをきっかけに企画したセミナーでしたが
「日中、眠気がなければOK」
「就寝時間に拘るな」
という話に安心した方
逆に、「一度、診察を受けてみようか_」と思った方といらしゃるようです。
眠れない原因が、心身の病気など別のところにある方を除けば
私たちの睡眠不足を作っているのは
「時間になったから寝る」という思いこみなのかもしれません。
「いい睡眠」は、まだまだ奥が深そう。
ご参加いただいた皆様、ありがとうございました。